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線積分とは3

線積分のその3ではベクトル場{bf B}(x,y,z)の線積分を考えたいと思います。

ベクトル場の線積分として、よくある形は次のようなベクトル場と微小な経路との内積の線積分です。
int_C {bf B}cdot d{bf s}
内積の積分ですので、線積分の値はスカラー値になります。

もう1つ、たまにあるのが外積の線積分です。
int_C {bf B}times d{bf s}
外積と言うベクトル量の積分ですので、線積分の値はベクトル値になります。

実際に問題演習を行うことで、これらの具体的なイメージをつかむことができると思います。

最後に補足です。これまで積分する微少な長さとして、小文字のsを用いてd{bf s}と書いてきましたが、大文字のSになると今度は微小な面積を表すようになります。またd{bf s}の他にd{bf l}d{bf r}d{bf x}などの表記も用いられます。

線積分とは2

線積分とは、ある経路に沿って積分を行うことでした。
int_C f(x,y)ds

今回はこのdsについて、もう少し詳しく説明したいと思います。積分とは微小なものの足し合わせなのですが、この微小なものを表しているのがdsです。線積分の場合は、経路を細かく分けて行ったときの1区間がdsに対応しています。このように考えると、dsというのは向きを持ったベクトル量であることが分かります。なので本来d{bf s}=(dx,dy)と書ける量なのです。線積分中のdsはこのd{bf s}の大きさを表しており、
ds=|d{bf s}|=sqrt{dx^2+dy^2}
と書くことができます。

線積分とは、経路を区切って行った時に、ある点でのfの値掛けるds足すことの次の点でのfの値掛けるds…とやっていったものです。これはなんら特別なことではなく、普通の積分の時とやっていることは同じなのです。これまで学んできた積分は、x軸に沿った線積分と言い換えることができます。線積分と言うと、もっと一般のグニャグニャ曲がった経路に沿った積分も含まれています。

今回はスカラー値fに関する線積分を説明してきましたが、「線積分とは3」ではベクトル量の線積分について考えていきたいと思います。

線積分とは

ここでは線積分についてのイメージを話します。線積分とは”線”に沿って”積分”することです。積分というのは、高校数学のでもやったように、”微小なものの足し合わせ”です。この足し合わせを線に沿って行うのが、今回話す線積分です。

例えば点P_1P_2を考え、それらをつなぐ経路をなんでも良いので考えます。このような経路をよく”C“と表します。これはContourの略です。(Pathではありません。)Contourとは、等高線や輪郭といった意味を持ち、閉じた曲線に対して使われることが多いです。閉じた曲線というのは、始点と終点が一致しているような曲線のことです。一般の閉じていない曲線に対しても、Cを用いて表される慣習があります。

この経路Cに沿っての積分が、線積分です。線積分の値はどのような経路を辿るかに依って異なります。異なる経路CC'C''を考えた時、それぞれの曲線に沿っての積分の値が異なるということです。

具体例を考えます。今xy平面を考え、この平面上で関数F(x,y)=2x+yという関数を考えましょう。この関数を原点Oからある点Pまでの経路に沿って線積分することを考えます。ここでは具体的に点Pをxy平面上の(1,1)という点にとります。

経路として、次の2つの経路C_1C_2を考えます。
C_1 : 最初に原点からx軸に沿って点(1,0)まで進み、その後y方向に沿って点(1,1)まで進む経路。
C_2 : 最初に原点からy軸に沿って点(0,1)まで進み、その後x方向に沿って点(1,1)まで進む経路。

経路C_1に沿っての線積分は次のように書かれます。
int_{C_1}f(x,y)ds
今回の場合はx軸に沿って移動している間はds=dx、その後y方向に進んでいる間はds=dyとなるのですが、細かく書いているとややこしくなるので、象徴的に”ds“と書きます。この積分を経路に沿って具体的に書き下すと以下のようになります。
int_{C_1}f(x,y)ds=int^1_0 2x dx+int^1_0 (2+y)dy
ここでx方向に移動している間はy=0、y方向に移動している間はx=1となっていることに注意が必要です。さらに計算を進めると
int_{C_1}f(x,y)ds=int^1_0 2x dx+int^1_0 (2+y)dy=[x^2]^1_0+[2y+frac{1}{2}y^2]^1_0=frac{7}{2}
となります。これが経路C_1に沿っての線積分の結果です。

C_2に沿っての線積分も同様に考えられます。
int_{C_2}f(x,y)ds=int^1_0 y dy+int^1_0 (2x+1)dx=[frac{1}{2}y^2]^1_0+[x^2+x]^1_0=frac{5}{2}
これが経路C_2に沿っての線積分の結果です。このように始点と終点が一致していても、通る経路によって線積分の結果が異なってきます。なので線積分を書き表す際には、きちんとどのような経路における線積分かを指定する必要があります。

rot(回転)とは

ここではrot(ローテーション、回転)について説明します。rotはベクトル場に対して作用して次のように定義されます。
rot{bf A}({bf x})=(frac{partial A_z}{partial y}-frac{partial A_y}{partial z},~frac{partial A_x}{partial z}-frac{partial A_z}{partial x},~frac{partial A_y}{partial x}-frac{partial A_x}{partial y})

ここでとりあえず分かるのは、rot{bf A}のx成分にはyとzが、y成分にはzとxが、z成分にはxとyが入っていることが分かります。これらがどのような組み合わせで出てくるかはとても覚えづらそうなのですが、これについては「ナブラ記号について」という動画で分かりやすい覚え方を説明します。

rotはベクトルに対してベクトルを返すものなのですが、これのイメージは次の通りです。rot(ローテーション、回転)はその名の通りベクトル場の回転具合を表します。例えば水の流れを表すベクトル場を考え、そこに浮かぶボールを考えましょう。ボールはベクトル場の向きに従って流れて行きますが、この時ボールには回転が加わるかもしれません。あるところで流れが強く、あるところで弱くといった状況ではボールがくるくる回りながら流れます。このボールの回り具合を表すのが、ベクトル場のローテーション、rot{bf A}({bf x})です。

回転、渦などいったものもベクトルで表現することができます。渦の乗っている平面に垂直な方向がそのベクトルの方向で、渦の強さがベクトルの大きさに対応します。

最後に補足なのですが、rot{bf A}({bf x})curl{bf A}({bf x})などとも書かれたりします。電磁気学をまとめたMaxwellはこの表記を用いて書いていたそうです。

電磁気学とは

ここでは電磁気学というものがどのような学問なのかということを、大雑把に説明したいと思います。

“電”は電場{bf E}などを表します。電場は電荷qがあるとその周りに生じます。”磁”は磁場{bf B}などを表します。磁場は電流iがあるとその周りに生じます。

電流というのは動いている電荷のことです。つまり電場は止まっている電荷から、磁場は動いている電荷から生成されます。電荷が止まっているか動いているかは観測者の見方に依って異なります。あるいは電荷と言う存在を、違う見方で見ている、ということもできます。従って、電場、磁場というものも、見かけは異なっていても本質的には同じものなのではないかと考えることができます。これは実はアインシュタインが特殊相対性理論で言っていることです。アインシュタインの特殊相対性理論の論文の題は「動いている物体の電磁気学」でした。

その内容はここまでに述べた通りです。電荷に対して静止した観測者から見ればもちろん電荷は止まって見え、動いている観測者から見れば電荷は電流に見えます。同じように、静止した観測者からは電場に見えていたものが、動いている観測者から見れば磁場に見えることがある、ということです。電場・磁場というのは単に見え方の違いであって、本質的には同じものである、ということをアインシュタインは論文の中で言っています。特殊相対性理論は、物体の動きだけではなくて電磁気学を含んだものになっており、電磁気学の話をする際には特殊相対性理論にもよく触れられます。特殊相対性理論から、電場と磁場は見た目が違うだけであって本質的には同じものなのだということが明らかになり、そのため電磁気学では電場と磁場が一緒に扱われます。

写像とは

ここでは写像について話をしようと思います。写像は英語ではmapと呼ばれます。よくfという記号を用いて
f:A \rightarrow B
などと書かれます。簡単に行ってしまうと、高校までに習った関数f(x)を一般化したものが写像です。すなわち”関数”というものよりも広いものになります。高校までに習った関数f(x)はとる値がスカラー値でした。しかしながら”写像”はより広い場合、例えば、ベクトルが与えられればベクトルを返すような写像、というものを考えることができます。例を考えましょう。

あるベクトルの集合(ベクトル空間)Vからベクトル空間Wへの写像fを考えましょう。
f:V \rightarrow W
この写像を用いるとVの元であるベクトル{bf v}からWの元であるベクトルf({bf v})={bf w}を与えることができます。

ベクトルではなく、ある集合を与えて集合を返す、という写像も考えることができます。例えば、Uというたくさんの集合の集まり、集合の集合からVという集合の集合への写像を考えましょう。
f:U \rightarrow V
この写像を用いるとUの元である集合AからVの元である集合f(A)=Bを与えることができます。これは具体的にはどのようなものなのかというと、例えばここで出てきた集合Aをクラスの男子の集合とします。そして彼らの家の集合をBとすると、この写像は”人”と”家”を対応させる住所録のようなものになります。これが集合を与えて集合を返す写像の例です。

線形代数学とは

今回は線形代数学について話をします。線形代数学はベクトルと行列の学問です。このことを知らなかった私は、最初に線形代数を学んだ頃、何をやっているのか分かりにくく、戸惑いました。線形代数学は高校の数Cの延長だと思ってしまえば、少しは理解し易くなるかと思います。

まず、”線形代数学”という言葉がどのようにベクトル、行列などと関係しているか説明したいと思います。

代数学というのは、文字式等を用いて数の代わりに様々なものを扱う学問です(※)。また”線形”という言葉は英語では”linear”という言葉に対応します。これは、”直線的な”や”1次の”などといった意味があります。1次というは2つ以上の代数を掛けることがない、ということを表しています。例えばx^2=xcdot xxという代数の2次の量です。こういった2次以上のものが出てこない、一次の代数を扱う学問が線形代数学です。

具体的に線形代数の言葉と、ベクトルや行列の言葉がどのように対応しているかを見てみましょう。
線形代数では”元”という言葉を用います。これは集合の中のある要素xという意味なのですが、線形代数で出て来る場合、これはベクトルだと思ってもらってよいかと思います。また”写像”という言葉もよく使われます。これは高校までに扱ってきた関数fのようなものですが、線形代数で出て来る場合、これは行列だと思ってもらってよいかと思います。
x leftrightarrow~~ベクトル{bf x}
写像f leftrightarrow~~行列A

写像というのは、各元に対してある値を返すものです。行列も、あるベクトルに掛けられることで新たなベクトルを生成します。この点から、行列も写像、関数と同じような働きをすることが分かります。
f(x) leftrightarrow~~ A{bf x}

ここまでざっくりと線形代数のイメージを説明してきましたが、このようにベクトル・行列のイメージを持っておくと、理解がしやすいかと思います。

(※)ただし現代的な代数学は必ずしも「数の代わり」ではありません。演算(実数ならば+-×÷)が定義された集合を扱う数学が、現代的な意味での「代数学」です。

外積とレヴィ・チビタ記号

今回は、ベクトルの外積{bf A}times {bf B}を、レビ・チビタの記号を用いて考えてみたいと思います。
まず下準備として、ベクトルの表記を確認しておきましょう。ベクトルを成分で書く際には、よくアルファベットの添字を用いますが、ここでは数字の添字を用います。
{bf A}=(A_1,A_2,A_3)

外積{bf A}times {bf B}の第i成分は、レビ・チビタの記号を用いて次のように書くことができます。
({bf A}times {bf B})_i=sum_{j,k}epsilon_{ijk}A_j B_k
ここでは{bf A}times {bf B}の第1成分を計算して確かめてみましょう。
({bf A}times {bf B})_1=sum_{j,k}epsilon_{1jk}A_j B_k
epsilonが値を持つのはj=2、k=3の場合、あるいはj=3、k=2の場合なので
({bf A}times {bf B})_1=sum_{j,k}epsilon_{1jk}A_j B_k=epsilon_{123}A_2 B_3+epsilon_{132}A_3 B_2
となります。レビ・チビタ記号の定義より、epsilon_{123}=1epsilon_{132}=-1なので最終的に
({bf A}times {bf B})_1=A_2 B_3-A_3 B_2~(=A_y B_z-A_z By)
となり、きちんと外積の形になっていることが分かりました。

このようにレビ・チビタ記号を用いて外積を表しておくと、ややこしい計算をとてもすっきりと書くことができます。これを実感してもらうために具体例を考えていきましょう。ベクトル解析では3つのベクトルの外積{bf A}times ({bf B} times {bf C})を計算することがあるのですが、これを素直にやろうと思うとかなり面倒です。ここでレビ・チビタ記号の出番です。外積{bf A}times ({bf B} times {bf C})の第i成分をレビ・チビタ記号を用いて書き下してみましょう。
[{bf A}times ({bf B} times {bf C})]_i=sum_{j,k}epsilon_{ijk}A_j ({bf B}times{bf c})_k=sum_{j,k}epsilon_{ijk}A_j sum_{lm}epsilon_{klm}B_l C_m
ここで注目するべきは、epsilonが2つ出てきている点と、その添字kについて和がとられている点です。レビ・チビタ記号のところでやった2つのepsilonの積が2つのクロネッカーのdeltaの積に入れ変わる公式
sum_k epsilon_{ijk}epsilon_{klm}=delta_{il}delta_{jm}-delta_{im}delta_{jl}
を思い出すと
[{bf A}times ({bf B} times {bf C})]_i=sum_{jlm}(delta_{il}delta_{jm}-delta_{im}delta_{jl})A_j B_l C_m
と書けることが分かります。あとはクロネッカーのdeltaの定義に従って計算して行くだけです。
[{bf A}times ({bf B} times {bf C})]_i=sum_{jlm}(delta_{il}delta_{jm}-delta_{im}delta_{jl})A_j B_l C_m=B_isum_{j}A_jC_j-C_isum_{j}A_jB_j
第1項目は{bf A}{bf C}の内積、第2項目は{bf A}{bf B}の内積を含んでおり、これを内積記号を用いて書くと
[{bf A}times ({bf B} times {bf C})]_i=B_isum_{j}A_jC_J-C_isum_{j}A_jB_j=[{bf B}({bf A}cdot{bf C})-{bf C}({bf A}cdot{bf C})]_i
となります。これによってベクトル解析の公式
{bf A}times ({bf B} times {bf C})={bf B}({bf A}cdot{bf C})-{bf C}({bf A}cdot{bf C})
が導かれます。見た目はややこしいことをやっているように見えましたが、実際に手を動かしてみると、そこまで複雑ではありません。1つ1つ成分でばらして計算するよりは遥かに簡単です。

外積をレビ・チビタ記号を用いて書くことの有用性が少しでも分かって頂けたでしょうか?

レヴィ・チビタの記号

今回はベクトル解析の際に非常に役に立つ”レビ・チビタの記号”というものについて説明します。レビ・チビタというのはイタリアの数学者です。
レビ・チビタの記号はepsilonで書かれます。例えば次のように書かれます。
epsilon_{ijk}
このijkは1、2、3のどれかをとります。

レビ・チビタの記号の性質を挙げていきます。

レビ・チビタ記号はijkの中に同じものがあれば0になります。例えば
epsilon_{112}=0
となります。この場合はi=j=1となっています。同様にepsilon_{133}=0(j=k=3)などとなります。

定義として
epsilon_{123}=1
として、この添字の並びを遇置換(偶数回の置換を行ったもの)して得られるものは1、奇置換(奇数回の置換を行ったもの)して得られたものは-1となります。例えば
epsilon_{213}=-1
となります。この場合”213″という並びは、”123″という並びから”1″と”2″を置換を1回行うことで得られるため、レビ・チビタ記号は-1を返します。またepsilon_{231}=1
となります。これは”231″という並びは、”213″という並びから”1″と”3″の置換1回、あるいはもとの”123″という並びから数字の置換2回で得られます。そのためレビ・チビタ記号は1を返します。1か-1を瞬時に見極めるには、1から順に右に数字を読んだ時に”123″となれば1、”132″となってしまう時には-1と覚えればよいでしょう。この時は、一番右の数字を読んだ次には一番左の数字に移動します。

レビ・チビタ記号をベクトル解析で使う際には、2つのレビ・チビタ記号を掛けた形のものがよく用いられます。例えば次のような形です。
epsilon_{ijk}epsilon_{klm}
ここで縮約のルールで、2度出てきている添字は全ての場合を足し合わせています。つまり
epsilon_{ijk}epsilon_{klm}=sum_{k=1}^{3}epsilon_{ijk}epsilon_{klm}
です。この形のレビ・チビタ記号は、実はクロネッカーのデルタdeltaを用いて次のように書けてしまいます。
epsilon_{ijk}epsilon_{klm}=sum_{k=1}^{3}epsilon_{ijk}epsilon_{klm}=delta_{il}delta_{jm}-delta_{im}delta_{jl}
添字i、jは1つ目のepsilonから、l、mは2つ目のepsilonから来ています。添字の順番は覚えづらいかもしれませんが、これには実際に数字を当てはめて確かめるのが良いでしょう。重要なことは”2つのepsilon=2つのdeltaの差”という形です。

では実際に添字に数字を当てはめてみましょう。具体例として次のものを考えます。
epsilon_{12k}epsilon_{k12}
kについては和をとりますが、レビ・チビタ記号定義より、この項はk=3の時のみ値を持ちます。つまり
epsilon_{12k}epsilon_{k12}=epsilon_{123}epsilon_{312}
となります。epsilon_{123}epsilon_{312}の形は共に、epsilon_{123}から添字の遇置換で得られるので値として1をとります。すなわち
epsilon_{12k}epsilon_{k12}=epsilon_{123}epsilon_{312}=1
となります。この例から先ほどの式の添字の順番を確かめることができます。今回の場合i=l=1、j=m=2であり、結果が+1となっていることから、delta_{il}delta_{jm}の前の符号は+となり、その逆にdelta_{im}delta_{jl}の前の符号はーとなることが確認できます。

以上、すこしややこしい話になってしまいましたが、レビ・チビタ記号のこれらの特性は、ベクトル解析、特に外積の計算の際に非常に役に立ちます。

縮約について

今回は縮約というものについて話をします。縮約とは、アインシュタインが一般相対論を構築する際に考え、たただのルールのことです。ルールの内容は、”同じ添字が出てきたら足し合わせる”というものです。つまり、A_i B_i,,(i=1,2,3)とでてきたら次のように解釈しなさいというルールです。
A_i B_i=A_1B_1+A_2B_2+A_3B_3

一般相対論では、このようにベクトルの各成分の積の和を考えることが多いのですが、その度に和の記号sumを書くのはとても面倒で、見た目がややこしくなってしまいます。縮約のルールはそのような煩雑さを解消するために決められたものです。今考えた例はベクトル{bf A}とベクトル{bf B}の内積でしたが、これらの外積も縮約を用いれば簡単に書くことができます。ベクトル{bf A}とベクトル{bf B}の外積の第i成分はレビ・チビタの記号ベクトルepsilonを用いて次のように書くことができます。
({bf A}times{bf B})_i=epsilon_{ijk}A_j B_k
この例では、jとkの両方について1から3までの和をとれ、という意味になります。
epsilon_{ijk}A_j B_k=sum_{j,k}epsilon_{ijk}A_j B_k

慣れないうちはsumを省略せずに書いても良いと思いますが、縮約を用いれば式がとてもすっきりとします。この縮約のルールは物理の分野では一般的に認識されているものなので、テスト等でsumを省略して書いても、おそらく大丈夫だと思います。心配であれば、縮約の規則を用いて書く、と一言付け加えておけば大丈夫だと思います。